御皇室の看取り
出雲井晶さんの著書『にっぽん讃歌』(神社新報ブックス)に記載されている、紀宮様(現:黒田清子様)によって語られた御皇室における看取りの場面に関する貴重なお話です。
皇后様(現:上皇后美智子様)が、皇太后様(香淳皇后)をお看取りなされた際のお出来事です。
「皇后様が、駆け寄られるように皇太后様のおそばにお寄りになって、じっとその最期をお見守りになり、
そのお後で皇后様が、丁寧にお掛け布団をお直しになりながら、『ご立派でいらっしゃいましたよ』とささやくようにおっしゃったその時に、周りの人々の悲しみがふっとあふれるように感じられました」とおっしられています。
この場面について後に「香淳皇后御舟入りの儀」と題して美智子上皇后様が皇后陛下としてご在位されておられた時にお詠みなられた御歌がこちらです。
「現し世に まみゆることの又となき 御貌(みかお)美し御舟の中に」