「生き通し」
私たちの本体は、「みたま(霊魂)」です。みたまが肉体に宿ることで、苦しみや喜びを味わい、さまざまな体験をすることができます。その体験によって、みたまが磨かれていきます。そして肉体からからみたまが抜けた時点で、人間としての「死」を迎えるのです。
また、帰幽するその時に吐きだす息を、子孫が吸い込むことで、そのみたまは子孫の中に宿り、連綿と受け継がれていきます。「生き通し」という言葉があります。人の死は命の終わりを意味するものではなく、神様からいただいたみたま(霊魂)は不滅であり、永遠に続くというものです。
このような過去から未来に続く、長い時の流れ中で生きる今を、神道思想では「中今(なかいま)」といいます。私たちは、「中今」を生きているのです。
今、私たちは「はじまり」も「終わり」もなく、「中今(なかいま)」を生きています。「中今」とは、遠い過去とまだ見ぬ遠い未来をつなぐ「今」のことです。この瞬間、瞬間を精一杯誠実に生きること。命を充分に謳歌することが、私たちの生きる意義です。