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コラム

在宅介護と看取り

母や妹は、口を揃えて「充分に介護をしてあげることが出来た。後悔はない。」といった。介護は、本当に大変なことである市町村の窓口に相談するなり各種の行政サービスを利用して老老介護の悲劇は絶対に起こさないでほしい。

介護疲れや介護を苦にした殺人事件が増加している。高齢者が高齢者を介護する老老介護による悲劇である。

我が家も平成19年に祖母がすい臓がんの末期を宣告され母や妹による在宅介護が始まった。当初、祖母は病院でのケアを受けていたが死期が近づくにつれ祖母 は「お家へ帰りたい。」と言いはじめた。わたしの母は、「おばあちゃんの好きなようにしなさい。自宅に帰りたいならいいよ。」と答えた。母は、父に相談した。「おばあちゃんを自宅で介護したい。」父は、「介護は本当に大変だけど。大丈夫か?決して無理するなよ。」母は「おばちゃんの意思を最大限尊重したい。」そこで、父は自身の会社に勤める妹を田舎に帰し母と妹の二人の長い在宅介護がはじまった。

毎日があっという間に過ぎてしまう程、多忙な毎日であったという。とても母1人だけでの介護だったならば、母も身体を壊していたに違いない。父が妹を田舎に帰し2人で介護を行うという判断が良かったのである。やはり、介護にはマンパワーが大切である。ぼくや父は、祖母の死に目に会うことは出来なかったが、 祖母は母と妹に見守られながら、約90年間泣いたり笑ったり苦悩したり思い出のたくさんつまった港町越後岩船の自宅で安らかに息を引き取った。

今日5月25日は、祖母がお国がえりした命日にあたりこの原稿を書きました。

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