「死ぬ」という言葉
神道では「死ぬ」という言葉ではなく、「帰幽(きゆう)」「お国替り」「身去る(みまかる)」「形を脱ぐ」「お隠れになる」などといいます。
人は帰幽しますと、肉体という形を脱ぎ、いよいよ霊魂のふるさとであるお国替りをします。死後の世界を「幽世」(かくりよ)といい、霊界のことをさします。
他にも古典を紐解きますと「高天原」「日之若宮」「天津御国」「綿津見神の宮」「黄泉(よみ)の国」「根の国」「底の国」「常世(とこよ)郷(ごのくに)」「妣(はは)の国」など、古代日本人が名付けた死者が赴くべき世界の名称がたくさんあります。「黄泉の国」とは、夜見の国、ヨモツ(夜持つ)国ともいい、「黄泉」の語源は「闇」であると考えられ暗黒の世界、見えない世界をいいます。