琴と神託
琴は神様にお降りいただいたり、お喜びいただくまたは,神様のお告げを伝えたりする呪具です。琴の語源は、本居宣長が『古事記伝』に天詔琴(あめののりごと)の名前から、それはもともと神の詔琴(のりごと)という意味として名付けられ、それが略され「こと」になったといいます。「こと」とは、神様のお告げという意味なのです。
御霊を遷す際には、琴の音が重要です。神道の葬儀である神葬祭においても、故人の肉体から御霊を遷す、「遷霊祭」には部屋を暗くして琴の音色を奏で神職の秘言を奏上して、肉体から御霊を分離させます。