死んだ金魚をトイレに流すな
東海大学教授の近藤卓先生は、かなりの数の人たちに、「飼っていた金魚が死んだときどうしていますか」と尋ねてきた。
その質問に、圧倒的に多数の人は、死んだ金魚を土に埋めて簡単な墓標を作り、子どもと手を合わせたと答えた。
しかし最近、そうでない意見がいくつか出てくるようになった。きわめつけは、トイレに流すという「処理」の仕方だった。それをはじめて耳にしたとき、なぜか背筋がゾッとする嫌悪感に襲われたという。
親の何気ない行為によって、子どもはいのちを軽く見るようになる。いのちの重みを伝えるためには、どう接すればいいのか。「いのちの体験」を共有することの大切さを語っている。
近藤卓先生の著書『死んだ金魚をトイレに流すな』集英社をぜひ読んで欲しい。救急医療に関心のある方には、いのちについて深く考えさせてくれる良書である。