救急救命士に権限
救急医療サービスは、社会医学の実践であり現在抱える諸問題の原因には複合的な要素が絡んでいる。私たちのできるところから一つ一つ住民参加型で問題解決やシステムの改善をしていく必要がある。
アメリカでは、重症患者を救急車内に収容しあちらこちらと十数件も受け入れ先医療機関を探し回り、救急現場を1時間以上も出発できないなどという深刻な事態は見られない。
アメリカの救急隊員は、生命を脅かす重症患者や急変が予測される場合、たとえ医療機関が受け入れ不能であってもそれを乗り越えて搬送する権限が付与されている。これにより救急医療の迅速なアクセスが保障されている。
わが国の救急患者受け入れ搬送拒否問題の対策として、救急救命士の観察により一定の基準を満たす患者については、救急隊が指定する医療機関への受け入れを強制できる権限を与えてはいかがだろうか。