えびす様と鯛
えびす様には、なんといっても鯛がつきものです。この鯛は、国体を表現しているともいわれています。国体とは、国家の状態や国柄のことをいいます。えびす様のお姿は、日本の国体(鯛)をしっかりと脇にかかえ、日本の国をお守りいただいている様を表しておられるといわれています。また、えびす様は神界において内閣総理大臣にあたる地位に就任されておられるともいわれています。
ここで、鯛にまつわることわざをいくつか紹介します。
「魚は鯛」
「海老で鯛を釣る」
「鯛も一人じゃうまからず」
「海老の鯛交じり」
「内の鯛より隣の鰯」
「鯛の尾より鰯の頭」
「鯛も鮃も食うた者が知る」
神道の葬儀では、お供え物として「黒鯛」が献饌されます。しかし、「黒鯛」は、「真鯛」より入手が困難ななため「真鯛」をお供えしてで行われる場合が多いのが現状です。「真鯛」だからいけないということではありません。お供えする人の真心が一番のお供え物です。物を受け取るのではなく、その物を通じて籠る真心や想いを故人や神様は受け取られるのです。