おみくじ製造
私たちが神社で手にするおみくじのほとんどは、山口県周南市にある「女子道社」という会社で作られています。この一風変わった名前の会社のルーツは、同市にある二所山田神社(にしょやまだじんじゃ)の先々代の宮司・宮本重胤さんが発行した『女子道』という機関誌。宮本宮司は、男尊女卑の風潮が強かった明治時代に、いち早く女性神職の登用を提言し、女性参政権を訴え、女性を対象とした全国組織『敬神婦人会』を設立しました。そして女性の自立を目指して機関誌『女子道』を発刊。それを発行するための資金にと考案されたのがおみくじだったのです。
女子道社は、明治39年に、わが国最古の自動販売機と言われる、おみくじ販売機も開発。現在では、おみくじ製造の占有率70%というトップシェアを誇り、国内だけでなく海外へも輸出されています。それでもおみくじ作りは、すべて手作業。印刷されたおみくじの札は、一枚一枚人の手で丁寧に折り上げられ、祓い清めのお祭りを行ってから各地へ発送されています。