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コラム

神職救急救命士が語る「自殺」について

自分の命は誰のものか、と考えたことがありますか?
自分がこの世に生まれてくるためには、両親の存在が欠かせません。そして両親が生まれてくるためには、お父さんの両親、お母さんの両親が必要です。そして、おじいさん、おばあさんにもそれぞれ両親がいます。どれほど時をさかのぼったとしても、そのつながりに終わりはありません。そして、やがて自分も自分の子や孫に続く命のひとつとなっていくのです。
こういったことを示す言葉に、神道では「祖我一如(そがいちにょ)」という言葉があります。これは、「私は子孫であり、先祖である」という意味です。
私は太古から連綿と続いてきた命の末裔(=子孫)であり、ここから未来へと続いていく命の祖先となる者、という意味です。
遥かなる時を超えてここまで運ばれ、手渡されたバトンを次の走者に渡す「命の継承者」である、ということなのです。
自殺をするということは、自分の「命」のみならず自分から遡るすべてのご先祖様の「命」を消すことになるのです。
私は救命救急センターで、神様から与えられた命を自ら絶ってしまう人をたくさん見てきました。その「死」が当事者だけで完結することはほとんどなく、顕世では、家族や周りの多くの人を傷つけ深く悲しませます。一方、幽世では、ひとつの大切なバトンが取りこぼされたことにより、遥か遠い未来へと続くはずだった「命」が失われてしまったことになります。
もし、いつか、あなたの人生に、あるいはあなたの近くにいる誰かの人生に、消えてしまいたくなるほどに辛い日が訪れたときは、この「祖我一如」をぜひ思い出してください。遠い未来に生まれるはずの命のためにも、苦しい時代を生き抜いてきたたくさんのご先祖様の命のためにも、あなたの命はあなただけでのものではなく、かけがえのないものであることを。そして、中今を生きる我々には、それぞれに与えられた使命というものが必ずあり、そのために生かされているのだということを。

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